国宝・専修寺での3次元計測事例のご紹介
三重県津市に位置する専修寺は全国に600箇所余りある真宗高田派の本山寺院で、御影堂と如来堂が国宝に指定されています。専修寺では2023年5月に新宝物館「燈炬殿(とうこでん)」がオープンしました。ここでは専修寺に古くから所蔵されてきた貴重な宝物が展示されるだけでなく、周囲をスクリーンに囲まれた空間で360°動画を楽しむことのできるVRシアターが上映されており、浄土の世界を体験できる映像や、御影堂と如来堂の建築や装飾の美しさに迫る映像を楽しむことが出来ます。弊社はこの貴重な建築物を後世に残すためのデジタル記録保存とVRシアターで利用される建築物のデジタルコンテンツの作成に携わりました。
左:如来堂 右:御影堂 |
非常に大きな建築物を1棟まるごと3D化するために、現地の計測作業では計測方法毎の特徴を活かし多種多様な技術で対応いたしました。その一例として、建物の外観内観だけでなく大羽目彫刻や小屋裏、床下など「特徴的な」場所や対象を計測するために、地上型レーザースキャナ、多視点画像撮影、ハンディ型3Dスキャナ、UAVによる空撮により取得したデータを解析し、右下図のような3Dデータやオルソ画像を作成しました。
これらのデータは御影堂と如来堂の姿を非常に細かく且つ精度良く記録しているため、文化財の保存だけでなく、未来への建築技術の継承にも寄与することが期待されます。
左:地上型レーザースキャナ 中央:ハンディスキャナ 右:UAV |
左:大羽目彫刻の3Dデータ 右上:御影堂・如来堂の3Dモデル 右下:連続立面オルソ画像 |
VRシアターについては専修寺のWEBサイト(http://www.senjuji.or.jp)にてご確認ください。