自然電位モニタリング
鉄筋コンクリート(RC)において、鉄筋の腐食状態を調査する手法のひとつに自然電位法があります。
コンクリートの劣化要因である中性化や塩害等が鉄筋腐食のトリガーとなりますが、そのメカニズムは電荷の移動を伴う電気化学的反応です。通常は部分的にはつり、露出させた鉄筋と、コンクリート表面位置に接触させた照合電極との電位差を測定することにより評価します。測定された負の電位が大きいほど腐食している可能性が高くなります。この手法の特徴は、多点の電位差を測定することにより面的に調査でき、ヒートマップ等で腐食範囲が定性的にとらえることが可能な反面、連続的にモニタリングすることができない点があります。
そこで当社では、監視ポイントに着目して、連続的にモニタリングできるシステムを構築しました。
腐食状況を確認したい箇所に専用のセンサを設置し、導通が確認された鉄筋に信号線を接続します。センサ部と信号線間の電位差をエレクトロメータによって測定してPCなどで収録し、インターネット回線を用いてクラウド上で値を確認することが可能です。RC構造物の維持管理の一助となれば幸いです。
●エレクトロメータの主な仕様
入力電圧 | ±100μV~32V |
入力抵抗 | 1000000MΩ以上 |
測定可能CH | 1CH |
精度 | 0.5%F.S.以下 |
エレクトロメータ | システム例 |