点検支援技術性能カタログ登録技術のご紹介(その4)
今回は点検支援技術性能カタログの【橋梁部門】に登録している“スリット応力解放法”についての内容をご紹介いたします。
●橋梁部門 デジタル画像相関法によるひずみ計測技術「スリット応力解放法」
技術番号:BR030042-V0022
本技術は、応力が作用しているコンクリートに作用応力方向に対して直角にスリットを切削し、切削前後の画像をラインセンサスキャナで取得します。取得した画像からデジタル画像相関法を用いることによりコンクリート表面の移動量を解析し、移動量から対称点間距離変化率を算出します。また、FEM解析においても切削によるコンクリート表面の移動量を解析し、同様に対称点間距離変化率を算出します。計測結果とFEM解析結果が近似するように解析条件(荷重)を変えながらトライし、最も近似した際の荷重を現有作用応力として推定します。
●主な特徴
① | スキャニング画像に対し、デジタル画像相関法による画像解析を行うことで解放ひずみを算出します。 |
② | 光学的全視野計測法を用いることにより、スリット近傍の微小領域まで高精度なひずみを計測可能です。 |
③ | スキャニング画像内の任意の位置で、多点のひずみを計測することができます。 |
④ | スリット切削時にはスキャナを取り外すことができ、配線の問題がありません。 |
⑤ | 幅約2mm、深さ20~30mmのスリットを切削するため、躯体への影響を最小限にすることができます。 |
スキャナ(本体) | スリット切削状況 | 初期画像とスリット切削後画像 |
対称点間距離変化率 | 対称点間距離変化率のフィッティング |
●スリット応力解放法に関する詳細はこちら:https://www.krcnet.co.jp/service/service_service_survey_Slit/
※本技術は、長崎大学大学院工学研究科インフラ長寿命化センター(松田浩教授)、佐賀大学大学院工学系研究科(伊藤幸広教授)、(株)K&Tこんさるたんと、との共同研究成果です。
※国土交通省建設技術研究開発助成制度の補助金を受けています。