埋立工事施工管理システム
埋立工事施工管理システム」は、埋立施工管理を円滑に進めるための、コンピュータを活用した効率的で迅速な施工管理業務を支援するための統括システムです。
本システムは、1)業務管理 2)工程計画 3)進捗、出来形管理 4)沈下安定管理の各システム群から構成されています。 各システムは、データ入力機能、演算処理機能、評価機能を持ち、これらのデータは施工管理システムにおいて情報が一元管理されます。
埋立工事施工管理システムの流れ
1.業務管理
埋立工事の基本工事情報を管理します。
業務台帳管理画面 | 地図情報システム画面 |
業務台帳に基本工事情報を入力します。 | 平面図に地図情報を入力します。 |
2.工程計画
埋立施工の工程計画に必要なバーチャート工程、平面進捗図、資機材山積図を自動表示できます。
工程編集画面 | 資機材山積み図 |
3.進捗・出来形管理
埋立工事の進捗状況を視覚的に確認できます。
進捗累加曲線図 | 出来形断面図 |
施工途中での進捗状況を計画と対比することにより確認します。 | 測量により得られる地盤形状から、出来形断 面図などを作成します。 |
4.沈下安定管理
測量データからの載荷履歴、沈下板による経時変化から最終沈下量を予測します。 | 沈下量解析画面 |
埋立工事施工管理システムの特長
システムにおけるデータ管理はGIS(地図情報システム)の概念を基本として設計しており、工事計画・進捗情報、環境監視情報、計測情報などの地図情報は共通の画面から情報の呼び出しが可能となっています。システム開発環境は仕様変更における対応の容易性を考慮して、VisualBasicを採用しており、現場のニーズに迅速に対応することが可能です。
1GIS(地図情報システム)を基本とするシステム
埋立区域の平面図を基本とし、工事進捗、沈下板設置位置などの領域地図情報を管理します。左画面は沈下計の設置位置を指定することより、沈下板の経時変化図を呼び出したものです。
平面施工進捗図
沈下板の経時変化図の呼び出し
(左:沈下計設置位置図、右:経時変化図)
2施工条件の変更に容易に対応可能
施工計画段階では船舶能力、保安距離、盛土放置期間などの施工条件の変更に容易に対応でき、種々の評価画面により編集結果の影響を確認することができます。
また、作成した施工計画は、集計表、座標式工程表等の図表、2次元または3次元のグラフィックとして表示・出力し、多面的な工程計画の検討・評価を支援します。
工程計画の編集画面
3次元グラフィック
2次元グラフィック
3施工情報を活用した沈下管理
施工途中に実施される測量データと土砂の投入数量をデータベースに蓄積し、沈下管理の基礎データとして活用することが可能です。また計器による動態観測結果との照合により高精度の解析が実現できます。
計器による沈下管理
解析項目
- 実測沈下に基づく最終沈下量(残留沈下量)予測、圧密度の算定(設計値との比較)
- 現地における圧密特性の明確化
(設計で用いた圧密定数の同定・土の圧縮程度を表すMv・土の水が抜ける程度を表すCv) - 次段階施工時の沈下量予測及び施設に与える影響度の検討
1~3より推定される圧密定数を用いて、次段階施工時の沈下量を予測し、余盛り高、引き渡し後の残留沈下量、施設に与える影響度を検討します。
また、実測沈下を評価して、施工途中の段階で今後の施工法について再設計を行ないます。
施工管理システムによる沈下管理
解析項目
- 沈下板がない位置での施工層厚、沈下量
- 埋立区域全体にわたってのおおよその圧密特性の推定
載荷履歴を把握することにより、均一な施工、及び 不同沈下防止を図ります。
載荷履歴図
日々の施工領域と投入数量を蓄積し、グリッド単位での載荷履歴情報に変換