赤外線法(サーモグラフィー法)
赤外線サーモグラフィ装置を用いて、物体の表面温度分布を熱画像として記録し、タイルやモルタルなどの仕上げ材、コンクリートの浮き・剥離を検出します。
主な特長
- 足場を必要としないため、コストや工期を削減することができます。
- 遠方から非破壊・非接触で迅速かつ安全に調査することができます。
- 調査中でも対象構造物は通常通り利用ができます。(病院、商業施設、共同住宅など)
測定原理
コンクリートの欠陥部と健全部は、外部から熱エネルギーを受けるとコンクリート表面に温度差を生じます。サーモグラフィ―法は、構造物の表面温度分布を赤外線カメラで熱画像として撮影し、その温度差より、モルタルやタイルなどの仕上げ材やコンクリートの浮き、剥離の有無および範囲を検出する方法です。
健全部
熱がスムーズに移動するので、仕上材の表面温度は全体と同じ。
浮き部
空気層が熱の移動を遮るので、仕上材の表面温度は高温。
機器仕様
製品名・型式 |
サーモトレーサTH9260 |
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温度測定範囲 | -40℃~500℃ |
最小検知温度差 | 0.06℃~0.30℃ (at 30℃) レンジ設定による |
測定精度 | ±2%(読み取り値)または±2℃ いずれか大きい方 |
検出器 | 2次元非冷却センサ(マイクロボロメータ) |
測定波長 | 8~13μm |
瞬時視野角 | 0.6mrad |
焦点範囲 | 30cm~∞ |
視野角 | 水平21.7°×垂直16.4° |
熱画像画素数 | 640(H)×480(V)ドット |
外形寸法 | 約110(W)×110(H)×210(D)mm(突起部含まず) |
質量 | 約1.9 kg(バッテリ含む) |
バッテリ駆動時間 | 約1時間20分 |
電源 | DC7.2V |
摘要事例
- 建築物の定期点検に伴う外壁仕上げ材の浮き調査 ・・・・・・・・・・・ 点検、第三者被害防止
- 構造物の改修・補修に伴う外壁仕上げ材やコンクリートの浮き調査 ・・・ 補修検討
- 跨線橋、道路橋の経年劣化に伴うコンクリートの浮き調査 ・・・・・・・ 点検、第三者被害防止
- 擁壁の鉄筋腐食に伴うかぶりコンクリートの浮き調査 ・・・・・・・・・ 補修検討
- のり面の老朽化に伴う吹付モルタルの浮き調査 ・・・・・・・・・・・・ 補修検討、第三者被害防止
建築物の外壁タイルの浮き事例
擁壁の浮き事例
床版下面の浮き事例