土石流検知・斜面監視システム
業務事例:自動追尾式トータルステーションによる斜面監視システム/愛知他(2005)
当該地区は、国土交通省所管の地すべり指定地区で、平成16年には愛媛県東予地方を襲った台風により豪雨災害が頻発しました。そこで、翌年より、土砂災害が最も発生しやすい梅雨から台風の時期(平成17年6月~11月、平成18年6月~11月)にかけて、自動追尾式トータルステーション(以下TS)による計測システムを構築し、斜面監視を行っています。
斜面監視では、地すべり影響範囲外に基準点(不動点)を2箇所、地すべり危険区域内に測点を21箇所設置して、自動追尾式TSにより、その変位を自動計測しています。計測は60分ごとに行い、携帯電話を用いた遠隔地通信により、リアルタイムなデータ受信、状況把握を可能としています。
また、変位計測と併せて、雨量計、水位計等による観測を行うことも可能です。さらに、自動通報装置と組み合わせることにより、管理基準値を超過した場合の管理者への電話通報やメール送信も可能です。
自動追尾式トータルステーションによる観測の利点
- 地すべり危険区域の動きを3次元で把握できる。
- 多点を同時に観測することにより、地すべり危険区域全体の動きの傾向を捉えることができる。
- 24時間体制の管理・観測を行うために計測の自動化は有効。
計測システム概念図
自動追尾TSと計測システム収納庫