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トピックス/業務事例紹介
  
【業務紹介】  [KEYWORD] 文化財、FEM解析
3Dレーザスキャナ、FEM解析による
石造アーチ橋における地震時の動的挙動解析
 (2009)

業務内容

日本各地に残る石造アーチ橋は、大正末期には約7万橋も存在したとされていますが、現在では3千橋程度にまでに減少しています。
もともと石造橋には、明確な設計法はなく、耐震性能はおろか静的な強度についても定かでないため、今後これらの貴重な土木文化遺産を維持していくためにも静的・動的強度について評価可能な数値解析手法の確立が望まれています。
そこで、現存する石造アーチ橋を3Dレーザスキャナで計測し,計測された形状のまま3 次元動的FEM 解析を行った事例をご紹介します。
解析対象石橋
写真1 解析対象石橋


FEM解析モデルの構築
 
石造アーチ橋は、図1のようにアーチを形成する輪石に作用する周方向軸力により、荷重を橋全体に伝達しています。その強度は、石材の圧縮強度と石材同士の摩擦力により決定され、輪石のせん断方向の力が限界摩擦力以上になると図2のように輪石が滑り落ち、崩落に至ります。
従って、解析では各石材を独立な要素により離散化し、接触摩擦モデルとして石材間の力の伝達を表現する解析モデル『離散型有限要素モデル』を構築しました。モデルは3Dレーザスキャナから得た形状から作成しています(図2)。本解析モデルでは静的な強度に加え,地震時の動的挙動解析も可能です(※)。



3Dレーザによる解析モデルの作成方法

1)3Dレーザスキャナによる石橋の3 次元形状データから,側面図等の正射投影画像を作成
2)CAD 上で石材をトレースすることにより,2D のポリラインデータを抽出
3)CAD上で石材にナンバリングを施し,石材の奥行き方法のデータを点群データより抽出して3 次元モデルを作成
石造アーチ橋の力学的特性
図1 石造アーチ橋の力学的特性

石造アーチ橋の崩壊モード
図2 石造アーチ橋の崩壊過程
(2次元解析例)
FEM解析モデルの作成方法
図3 FEM解析モデルの作成方法


FEM 解析による地震時の動的挙動解析

図4は、本解析モデルにより、道路橋示方書のレベル2 地震動に相当する兵庫県南部地震時の観測データを使用した解析結果です。地震動入力の3秒後には、側面上部壁石が面外に孕み出すことが予想されました。 



当社では九州橋梁・構造工学研究会(KABSE)の研究分科会「九州における石橋の現況把握と健全度評価」(主査:熊本大学・山尾敏孝教授)のメンバーとして、このような研究・解析を行っております。今回の解析方法は、補強対策後の効果の確認としても有効ですので、類似案件などがありましたら、お気軽にご相談ください。
FEM解析結果
図4 FEM解析結果
(地震動入力3秒後)

※参考文献)浅井光輝,山下和也,山崎礼智,荒木和哉 「離散型有限要素モデルによる石造橋の静的・動的強度特性評価」 構造工学論文集,Vol.55A, pp.172-180, 2009

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