(株)計測リサーチコンサルタント サイトマップサイト内検索ENGLISH

トピックス一覧へ
 

 【トピックス】 掲載日:2015年06月10日
「前田工学賞」受賞

前田工学賞 賞状
この度(平成27年6月5日受賞式)、弊社クリエイティブ事業部の西村正三が平成24年12月(当時長崎大学 大学院 工学研究科 博士後期課程)に取り纏めた学位論文「インフラ構造物の変状調査とモニタリングのための遠隔測定法の開発と評価に関する研究」(主査:松田浩教授)が、公益財団法人前田記念工学振興財団の前田工学賞(土木分野)を受賞しました。

前田工学賞は、工学のうち土木及び建築に関する学術研究において著しい成果をあげた研究者を顕彰するために設けられたもので、学問的にも社会的にも、また有用性の点からも優れた博士論文に対して授与される賞です。

研究内容
筆者が過去30年にも及ぶ近代化遺産や土木構造物の維持管理を目的に適用してきた写真測量、3D レーザ計測手法やひび割れ抽出手法について精度検証など行い、より簡易に「インフラ構造物の点検調査」に適用できるようにしたものです。特にひび割れ幅の算定では、ひび割れ画像を微視的に解析し、クラックインデックス〔CI〕を求めることで、クラック幅を定量的に算定できることを示しました。さらに、ギガピクセル画像撮影システムや計測困難な場所への無人飛行体(UAV)による遠隔計測機器の導入を試み、軍艦島や橋梁・トンネルなどのインフラ構造物への適用性の検証を行いました。

授賞式
授賞式は、平成27年6月5日、世界貿易センタービル(東京都港区浜松町)にて開催され、前田記念工学振興財団の岡村甫理事長(東京大学名誉教授、元高知工科大学理事長)から授与されました。なお、授与式では学位論文の内容のプレゼンテーションを行いました。
授賞式の様子
プレゼンテーションの様子



◆ 受賞にあたって

西村正三
(弊社クリエイティブ事業部長)
研究当時、写真測量は、人工的なターゲットを複数点対象物に設置し、高精度な測量を行う必要があり、3D形状の復元までには多大な時間を要していました。また高所に位置する場合には、安全性とコストが課題でした。一方ロボット工学・コンピュータービジョンの分野では、写真測量の発展型としてのSFM(Structure from Motion)が開発され、最近は無料ソフトも公開され始めてきました。このSFMは、画像内の特徴点から、カメラの3次元位置を特定し対象構造物の表面形状をリアルな高密度データとして取得できる技術で、安全・迅速・低廉で3Dモデル化が可能です。対象構造物を周辺から多数の写真を撮影するのみで3D計測が可能なため、地産地消によるインフラ点検ができ、地方のインフラ長寿命化に大きく貢献することが可能となります。
本賞を頂いたことを励みに、これまで長年種々のプロジェクトを遂行する上で培ったマネージメント手法を含め、後進の指導にも邁進する所存です。
 

3Dレーザ処理したデータ

SFM処理したデータ

授賞理由:前田記念工学振興財団選考委員会
 最近の計測技術は先端科学技術に支えられてその進展は目覚しく、地球のみならず全宇宙に存在する3次元物体の現在あるがままの形状等を精度よく計測するばかりか、その計測データをデジタル化し、様々な視点からの把握が可能となってきた。このような計測技術の蓄積が人類にもたらす意味は非常に大きく、その技術を今後更に高めいかに活用するかが問われている。本論文はこの"意味"について以下に述べるように具体化し、我々にその有効性を多くの実在物に対する計測データを通して明らかに示してくれたものとして、審査委員の評価が一致し、平成27年度前田工学賞(土木部門)に強く推薦した。
 本論文では計測技術として、3Dレーザ計測、ギガピクセル画像撮影システムの開発を行い、さらに計測困難な場所への無人飛行体(UAV)による遠隔計測機器の導入を試み文化財、橋梁、トンネルを対象として膨大な計測データから損傷部位の3次元的可視化を可能とする諸課題を解決した。この結果、我が国の高度経済成長期に建設された橋梁やトンネル等のインフラ構造物の劣化を的確に診断し、その維持管理に活用できる道を切り開いた。特に、軍艦島に残存する日本最古のRC構造物に対し、3Dレーザ計測のみでは計測困難な護岸にUAVを駆使して上空からの詳細画像撮影による計測データによる劣化状況の詳細な把握を可能とした点は、今後の世界遺産や近代化遺産の保存活用整備さらにそれらの維持管理に必須の技術となることが期待される。



トピックス一覧へ戻る
Copyright (株)計測リサーチコンサルタント - All Rights Reserved
お問合せはこちら