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 【トピックス】 掲載日:2009年7月21日
重要文化財歓喜院聖天堂 大羽目彫刻 詳細な3次元形状データ取得と活用
概要

重要文化財 聖天山歓喜院聖天堂(埼玉県熊谷市)は、宝暦10年(1760)に建立され、奥殿を中心に、壁面や各部材は精巧な彫刻で埋められています。建立当時、色鮮やかであったと思われる彫刻の彩色の大半が退色し、早急な対策が必要となったため、現在、彫刻の彩色修理事業を行っています。

当社では、現在、彩色復原作業が行われている彫刻の中から、特に精巧な彫刻が施された大羽目彫刻について、高精細な3次元計測手法により、形状(破損状況も含む)や、彩色の退色状況等の現状記録を行い、その可能性を検討しました。

大羽目彫刻

高精細3次元計測手法

計測対象である大羽目彫刻は、右写真のように立体的かつ複雑な形状をしているため、これまでの固定式の計測手法では高詳細な3次元形状データの取得は困難でした。そこで、このような複雑な計測対象物であっても、高精細に3次元形状の取得が可能なEXAscan(携帯性に優れたセルフポジショニング−ハンディスキャナ)により、計測を行うこととしました。

計測では、対象が非常に脆く、直接触ることができないため、まず、50mm間隔でターゲットをメッシュに貼り、それを彫刻の前面にかぶせます。続いて、ターゲットが最低6点程度入るようにハンディスキャナで計測を行っていきます。このとき、パソコン上で確認しながら計測を行うので、その都度取得した対象の形状を確認でき、計測洩れが発生しません。

計測対象彫刻
メッシュをかぶせる 計測状況 パソコンでの確認状況

- ->>作業状況を動画で見る


取得データ

本計測手法により、非常に高密度にデータが取得できていることがわかります(彫刻の3D形状モデルを構成するポリゴンは0.5mm間隔)。
三次元データ 一部拡大

- ->>3次元データを操作する※
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彫刻の模型製作
 
取得データを活用し、実寸と1/4サイズの模型を製作し、取得データの精度検証を行いました。その結果、今回の手法によりある程度彫刻形状の再現が可能であることがわかりました。

今回の模型製作は3D プリンタにより行いましたが、3D プリンタは、パソコンから転送された3D モデルのデータを元に石膏の粉を接着剤で固めて立体模型を作ることができる技術です。造型エリアのトレイに、石膏粉を厚さ0.089〜0.102 ミリに敷き詰め、インクと接着剤をインクジェットで吹き付けて固める。 その上に石膏粉を敷いて、インクと接着剤を吹き付け――という作業を繰り返し、固めた石膏の薄い層を重ねていくと、模型が完成する仕組みになっています。カラーも取得できる3Dカラースキャナのデータを用いれば、フルカラーによる製作も可能です。

彫刻との比較

3Dプリンタにより制作した模型(左:実寸模型、右:1/4模型)


今後の展開

今回製作した模型は、単色でしたが、フルカラーによる製作も可能なので、現状の彫刻の色を忠実に再現した模型も製作可能です。
また、彫刻の彩色検討では、通常2次元の彩色見取図による作業が行われますが、今回製作した模型(単色のもの)に、彩色を施すことにより、3次元での彩色検討が可能となります。

彩色見取図の例

 
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