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 【トピックス】 掲載日:2019年02月14日
砂防事業等の土砂災害における計測技術の役割(当社の実績等)について (第3回)
4. 砂防事業における計測技術の役割の整理
 この章では砂防事業における計測技術の役割について簡単にご説明します。
 
(1) 砂防事業における空間情報技術の位置づけ
砂防事業に限りませんが、事業の流れは概ね図1のようになります。その中で計測技術を広く捉えた空間情報は、すべての工程でベース技術やベースデータとして係っています。

必要な空間情報の精度は、上流側の工程である計画段階から、下流側の工程である設計・施工に行くにしたがって、高くなっていくと言えます。

概略的な精度を言えば、計画段階は1/10,000、予備設計では1/1,000〜1/2,500、詳細設計・施工・維持管理では1/250〜1/500が必要です。

図1 砂防事業における空間情報の役割



(2) 砂防LP(レーザプロファイラ)
@ 砂防事業における空間情報において革命的な進歩をもたらしたのが、いわゆる砂防LPです。国交省は平成20年度から直轄砂防事業において砂防LPを本格的に取得し始めました。砂防LP計測は、大手航空測量会社が中心となって実施したもので、固定翼(セスナタイプ)や回転翼(ヘリタイプ)の有人航空機に大型のレーザプロファイラを搭載して、広域の地盤高を一気に計測するものです。それまでは砂防基本計画で用いていた図面精度は1/25,000〜1/10,000でした。それが砂防LPでは図面精度が1/2,500程度になりましたので、一気に図面精度が5倍から10倍に向上しました。それ以来、直轄砂防事業では、広域な土砂災害等が発生すると有人航空機による砂防LPを計測することが多いです。
図2 赤谷の崩壊発生前の地形・地質構造
[千木良雅弘等:深層崩壊の発生危険斜面の地質的抽出手法の開発]
A 砂防事業の対象エリアは山地であり、樹林で覆われています。砂防LPが出るまでは、航空写真測量による地盤高の計測は、図化技術者が樹木の高さを推定してコンターを引くという名人芸の世界でした。砂防LPは樹木の間を通り抜けて地面まで到達したレーザ光によって地盤高を計測するため、地盤高の精度が飛躍的に向上しました。
B 砂防LPで最も重要なのは、精度の高い地盤高ですが、この他にデジタルオルソフォトが作成されます。また、最近では流木が問題となっていますが、砂防LPでは地盤高を算出する時にはフィルタリングして捨てていた樹林データを活用して樹木1本1本の位置、樹高及び樹種をほとんど自動で算出や判別することができます。また、材積についても現地調査によるサンプルデータを用いて推定することができます。
C 砂防LPは直轄砂防事業管内全体を精度の高い3次元データでカバーすることで、砂防事業に様々な大きな効果を挙げています。このシリーズの第1回で紹介しました地先砂防事業、水系砂防事業、火山砂防事業等において、調査・計画〜予備設計まで幅広く様々な図面の基礎データとして活用されています。
D 例えば、豪雨によって広域の土砂災害が発生した場合、発生した崩壊土砂量、不安定堆積物が流出した河床変動量や本川に流出した土砂量等がかなりの精度で算出することが可能になりました。その中で砂防LPが最も真価を発揮したのは、2011年に紀伊山地で広域に発生した深層崩壊について、発生前後の砂防LPによる地形データの比較をした際に、発生前の地形に前兆現象と見られる地形的な特徴が見出されたことです(図2参照)。砂防LPが崩壊前に取得されていたことは、深層崩壊の研究に多大な貢献を果たしました。

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